M U D認証事例

もっと学びやすい教科書へ 啓林館様 M U D認証教科書

従来情報伝達分野における読み易さへの配慮は主に高齢者や色覚障がいを含む視覚障がい者の方々に向けたものが主流でしたが、今回の教科書改訂で小学生向け教科書において初めてメディア・ユニバーサルデザインの手法を用いて制作、印刷されました。
当協会ではその編集に携わられる制作者、編集者に向けた研修、そして制作段階での指導、最終データでの製品認証作業を行いました。

文部科学省の取り組み

教科書はすべての児童生徒の学校における授業や家庭での学習活動おいて重要な役割を果たします。
この「すべての児童生徒」の中には視力に問題がある場合や、色覚に障がいをもつ児童生徒が存在します。
また、健常とされる児童生徒であっても、教科書に掲載されている文字、文章、図表への理解力に違いが存在します。

2016年施行の障害者差別解消法による合理的配慮も必要とされるようになった教育現場。
文部科学省は教科書にユニバーサルデザインの活用を推奨しています。

具体的なポイントは、以下の内容です。

  1. 「ユニバーサルデザインフォントに関する取組」
    • ルビのフォントを大きくしたり、ゴシックにする。
    • 本文、グラフの線や数字に太いフォントを使用する。
  2. 「カラーユニバーサルデザインに関する取組」
    • 色覚の特性に配慮した見やすい色を使用する。
    • 色だけで情報を伝えないよう、グラフ等で線の種類を変えたり模様を付ける。
  3. 「レイアウトに関する取組」
    • 重要な部分を囲むことにより明確に視覚化する。
    • 写真を重ねる際は,境目をわかりやすくする。

などです。

言うまでもなく、これらの要件は、メディア・ユニバーサルデザインの5原則に重なり、これからの「情報保障」社会にとって、スタンダードとなっていくと考えられます。


小学校英語(表紙とM U D手法)

学びやすさを支援するM U D

文部科学省の指針と重なるM U Dの活用へ。
大阪市天王寺区に本社を置く検定教科書や副教材、自習書、問題集、児童書などを発行する新興出版社、啓林館様がその先鞭を着けられました。
メディア・ユニバーサルデザインのガイドラインに適った編集、フォント、レイアウト、色遣いで、見やすく理解しやすく学びやすい教科書が誕生し、各方面から注目されています。

今回のM U D認証をきっかけに教科書、教材など学校教育の現場でより一層の取組が進むことが期待されます。


小学校算数(表紙とM U D手法)

 

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